水道栓をひねれば流れだす星屑をわたしのからだみたいだなんて思う日のあわくなった時間はこまぎれ、
流れる、
流れこむのだと感じるあなたにそそいでは音の天井に降る夜の夢ばかり見ているいつもいつまでもきれいで世界がいてくれるからだから、
あなたなんか知らない、
わたしがひとりきりのあなたを知らない世界でひとりきりでいることをなんにも思わないあなたなんか知らない、
だからうそのままでそのままでことばのたりないわたしでどこにだっている、
ふれさせないでだれにだってきっとふれないままでわたしはここにいる、
あなたのために、
ひとりこうしてる、
しずかだよ。
ねがいごとのひかりの渦のゆらめく空がまだやわらかだった頃の線を濡らしてゆく、
むこうがわが見たいだなんてわがままばかりできみはいつまでだって噤めやしないんだってちいさなこえを境界にしずめたんだよ昨日はぼくのためにだから、
くだらないことばかりを話していたかったんだよきみといつまでもぼくは、
くだらなくないなにもかもがこぼれおちてからっぽだったよばかみたくだからちっとも知らないだれかでいたかったんだよだからえいえんにだってぼくは気づきもしないでわらっていられたなんてかけらだって信じちゃいなかったんだよずっと、
もう一度だけ会えたらいいとそればかりいまでも思うんだよ(こどもみたいにいまも)、
叶いやしないけれど。
亡びのことばはひと綴りだけがあまい、
思いだせないでだから世界はさびしい、
終わってそれきり嘯く誰かがもういないことを思いだすのはかなしい、
傷つくこころのあることだってきづけないであなたはだからやさしい、
せかいはたぶん、
あなたがおもうよりかほんのすこしだけやさしい、
そう思いたいんだよわたし、
そうあれたなら。

『alt.』
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