ニニと神さま

ニニと神さま

『ニニと神さま』#7

 意味なんて無いって思ったの。 ずいぶん昔に取りこぼしたきり記号は記号で線とかで、わたしはわたしで熱とか音とかすてきな色とかそればかり、好き、だとか、書いてた。「と思うんだけど」 どうだったかな。なんて、書いてた? と思うんだけど、どうだ...
ニニと神さま

『ニニと神さま』#6

 うつむくふうでもかすかな夜の滲みだすようなカフの輪廓だった。 一年むこうの静けさの、掠めてかえってうるさいくらいがやさしさだなんて腑に落ちて、歩けば拙い四法の辺を、踏み消せないままわたしたちは描いていたい。描くなら、白とか灰なら指切るは...
ニニと神さま

『ニニと神さま』#5

 錯雑とやかましい空の夕暮れめいた偽装は永遠にほどかれることなくわたしたちを損ねつづけるのだった。知らないことばのそればかり、四辺に配され読まれも読めもしないいつだかを結構してゆく。くりかえす。延延と。 ねえ。「なんじゃい」 なぐさめみた...
ニニと神さま

『ニニと神さま』#4

 弥花みはなのあなたに降り咲く茜であったろうか。 延ほどこるさきからゆびひとつ、ゆびのさき、結染ゆいぞめ、流れるばかりのこころの澱おりの、まだ知られないでわたしはわたしをとどめるあてもない。わたしのようなもの、わたしにとおいもの、わたしを...
ニニと神さま

『ニニと神さま』#3

 うたえば地平のくずおれて、陽に夜に三世みつせもとらえない。 かけらのひとつも変わらないでふがふがとカフはかわいいままで、いつしか知れないねこまでひきつれわたしたちは無涯を歩いていた。 理を浴びる。 果てはない。 果てなどないという事実の...
ニニと神さま

『ニニと神さま』#2

「ゆめみてた」「どんな」「ニニのゆめ」「カフの夢」「かみさまのゆめ」「きれいな、夢」「ほしの、まそらをわたるゆめ、こころのたしかなほとおりの、ゆびさき、さいはて、ともしびの、えいえんみたいにゆらめいて、ながく、ながく、おわりのかけらもない...
ニニと神さま

『ニニと神さま』#1

 星の降るならどんな夜だってうつくしいだなんて、言葉があれば夢見るように哥えるの。滅びの光はわたしを揺らして蒼く、壊劫のほつれて淵からこぼれた焔みたいだなんて、そんなふうに。 世界が終わりますね。もう、さよならですね。ばかみたい、あっけな...
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