誣ふ詩の颸颸の翠衍に麗しみすふなみどりこどものうたかた、花雪、四方ゆくかた結ひはる裔、乞劫聲音の偏みてさ泥む小春夜の擬ひざまに繊弱の体とて定め兼ねて入る。
幽宮にはひとりきり、微睡むばかりでなにともつかないあの子がいまも、いまでもいつも、いつまでもいる、いた、いたかったんだね、きっと。
わたしがどうしてわたしのままで、わたしばかり抱えてわたし、わたし、わたしなんていってずうっと、ねえ、わたしでいるのかなんて誰にだってわかりはしないでしょうに。
わたしはだから、祈ったのね?
わたしはだから、散る燈の降る涅に崩るゆびさきをあてた。
変わらないでかわる、変わるみたくかわらないのがうらやましかったんだね?
あなた、あなた、あなたみたいなだれだかに、わたしはきっと、なりたかったんだね。
水底の、あわく霞むふうなそんな世界をそれきりずっとつないでいたかったんでしょう?
ばかね。
夜、好きだった。
なんにもすこしもとどきやしないでながめているのが好きだったんだよ。
でも、それももうおしまい。
涯のひずみの漣に似るんだと、いつわるばかりでいるんだときいた。
亡びのしずかな夢がいい。
あなたのさめない朝がいい。
愛とか、つめたさ、知らないわたしでぜんぶが終わればそれでいい。
ゆびきりしようよ、ひとつだけ。
青はきれいで、だから空ばかり見てる。
風よみの調べのどこまでだってひびくふうでけれどかたちはない。
だれのことばでもない。
だれのうたでもなかった。
だから空ばかり見ている。
かたちなんてない。
ゆらめくの、遠い星のように。
うそでもいいってきっと、わたし、いったから。
おぼえてる?
うそでもきれいな花がいい。
焔みたいに、灼けつく赤がいい。
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