『Criterion』

夜について考えている。
とぎすまされた音のほとんどがあなたにつよく結びついている気がする。
半透膜の無言しじま、粒子の振動、ゆらぎ、どれもがあなたの部分をあらわすような錯覚がある。


なんにもわからないでわたしはだれのこともわかれないでひとつのすべももたないでいるのがいやでだからだいきらいだとおもった。
わかりたくともそのためのこころがないのだといったにじのふるひのきょうかいをみてないてあなたは。
いつもみるゆめににているのわたしはいつでもいつからかみているゆめににている。


ひかりの話をするとき、あなたはほほえんでなによりきれいだと思う。
すてきなひびきのどれもがやさしいかぜのようにあたしたちをつつんでくれた。
なつかしいくらい遠い岸辺の花花を、ちいさなゆびに、いまでも描くのだろうか。
ねえ。
ごめんね。


ねむりの話をするとき、あなたはいくつもの星のかけらを水盤に編みこむのだった。
奏でるように。
こまらせたいわけじゃないんだよ。
そういってなぐさめるふうにたぐりよせた音の沙よりもこまやかで、ゆきわたるまでの時間はどこか永遠を思わせた。
つめたいままに忘れさる、そのための旋律だった。
わかってる。
わたしが知りたい世界の秘密なんて無い。
ことばの歪んだ心臓みたく、ことばのわたしのからっぽみたくきずなんてはじめからない。
もどりようなんてだれにだってない。


剥がれおちたかけらをあつめてきみはわらった。
もうずっとがれきの星をさがしてぼくらは歩いてばかりいた。
透きとおって硝子みたいな水果てを世界は映しだすのだった。
すべてはなんにもなかった頃に。
あなたはあなたを知らない頃に。
さがしてほしい。
わたしを、みつけだしてほしい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました