好事家ジュネさんを観る. 『ヨーロッパの日記』を読む. デスゲームと買った本.

雑記

他、球体関節人形や丸尾末広、山本タカト、少女文学、映画、ゴスなど様様紹介されておりまして、興味のあるかたはたのしめるのではないでしょうか
かくいうわたしもそのひとりでして、いまはハンス・ベルメールを取りあげた動画を観ています(次は映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』のを観るつもり、原作はブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』



特に馴染みがあるのは澁澤龍彦氏で、何冊か著作を所有しています
あとは丸尾末広氏
雑誌『ガロ』がまだあった頃、兄の本棚にあったものを盗み読みしてその存在を知ったのですが、いまだに記憶している程度には鮮烈な印象を受けました



特に好きだったのはねこぢる先生の作品です
絵柄からは想像のできないイカれかたをしていました



いま見たら『ねこぢる大全』『ねこ神さま』がKindle Unlimitedで公開されていますね
Unlimited、普段は使わないのですがたまたまキャンペーン対象(2ヶ月 ¥99)だったので…僕も久しぶりに読みかえしてみます
おすすめです




そしてジュネさんのチャンネル
素敵な動画がたくさんありますのでぜひご覧になってみてください

『ヨーロッパの日記』が届いた

外形はコンパクト、厚みのある辞書といった印象(1200頁超のハードカバー
第Ⅰ部と第Ⅱ部の分冊で第Ⅱ部が日記選となっている、シンプルにおもしろい
極私的な吐露はぼくだけでなくたのしめるのではないか
ただ戦時に書かれたものも多く、その方面に特段の関心を抱かぬ向きには退屈やもしれない

 過去五百年のあいだに書かれた〈最も純粋な〉日記にはひとつの共通点がある。直接性、様式の放棄、主観と客観の並存、断片性のなかに見られるスタッカートとレガートの混和である。すぐれた手紙も類似の特性を有するが、しかしそれは親しい相手に宛てられるという点で、日記とは次元を異にする。手紙が秘事を含みうるのは、書き手がそれを相手に打ち明けたいと思うときにかぎられる。純粋な日記は「世界史としての個室」(カフカ)からけっして離れようとはしない。

グスタフ・ルネ・ホッケ著 石丸昭二 柴田斎 信岡姿生訳『ヨーロッパの日記』第Ⅰ部 p.17

(前略)結局性格に欠陥があるのだ。物の見方にではない。僕の内なる裁き手は、僕が相談をもちかけると、事の本質をはっきりと見通したうえできわめて的確な判断を下してくれる。僕は自分を見抜くことはできる。しかし自分を服従させること、これができない。いまでもまだ、自分の過ちとその原因を発見することに喜びを覚えながらも、当の過ちに抗う気持を持てないでいる。僕は自由でない。でも果たして誰が僕以上に自由だと言えるだろう?

グスタフ・ルネ・ホッケ著 石丸昭二 柴田斎 信岡姿生訳『ヨーロッパの日記』第Ⅰ部 p.877

 わたしの傍らにはろうそくの静かな炎が黄金色の花のように燃えている。でもわたしがここにいつまでも座っていると、それは揺らめいて消えてしまうだろう。生とはそういうもの──とりわけ愛とはそういうもの──とらえがたい、たまゆらの、流れ去るもの。そしてひからびた、恐ろしいペシミズムがわたしの顔面に硬直し、わたしは古い幻影にしがみつく。わたしは虹とクリスタルグラスが好きだ。虹は色褪せ、そしてグラスは砕けて無数のきらめく破片となった。それはどこに飛び散ったのだろう。果てしない空の四方八方へ──どこへ?

グスタフ・ルネ・ホッケ著 石丸昭二 柴田斎 信岡姿生訳『ヨーロッパの日記』第Ⅱ部 p.1027




本文でも言及されているが日記には他者に読まれうるという可能性のために筆意真情との乖離を免れえぬ面があって、現代であればそうした事態を限りなく遠ざけうるのやもしれんが紙にペンで云云していた時代はうっかり死ねんところがあったろうなと、知人や親族に捨てるよう頼んだものがしっかり読まれたあげく公開までされるみたいな話も聞きますし、俺も書かなくもないからそのへんなにか考えておいたほうがよいのかもしれん、といって顧みてそこまで不都合な描写がそもそも無いのだけれども

ブックオフオンラインで購入した本も届いた

せっかくなので列挙

『フランスことば事典』松原 秀一著
『ことばの饗宴 読者が選んだ岩波文庫の名句365』
『江戸娯楽誌』興津 要著
『生命科学者ノート』中村 桂子著
『「色」の文化誌』風見 明著
『カジノの文化誌』大川 潤 佐伯英隆著
『桜誌 その文化と時代』小川 和佑著
『人世祭事 住まいの文化誌』ミサワホーム総合研究所編

これで1,500円程度
中身についてはなんにも知らない
お安いものからぼんやりと選んでみた



『ことばの饗宴』的な本ってぼくが持っているのは『中国古典名言事典』くらいで基本的に買わないんだけど入門であるとかきっかけとしてこうしたものに当たるのもたのしいものである

閑雲潭影かんうんたんえい日に悠悠ゆうゆう物換ものかわりほし移って幾秋いくあきをかわたる。
 閑雲潭影日悠悠 物換星移度幾秋

 無心の雲が清い淵にその影を写して、むかし変わらぬゆったりした閑日かんじつだが、物は変わり星は移って、もう幾度の秋を経たことであろうか。(王勃おうぼつ滕王閣序とうおうかくじょ」)

諸橋轍次『中国古典名言事典』p.556



『中国古典名言事典』はこんな感じでみじかいものが集められており親しみやすいと思う、わたしのは雨に濡れるかして索引付近がよれてしまっておりそこがずっと気になっているのだが買いなおすかどうかはわからん



というか定価あがってない?
背表紙に\2,000とあるのだが…



『人世祭事』は大判で大量の写真もすべてがカラー、執筆者数十人としっかりつくられている印象なんだけど350円だった、いいですね、久しぶりに利用したけど助かるわブックオフ

『幻想牢獄のカレイドスコープ』ガンバレルートがおもしろすぎる

なんなんだこれは、と思っていたら竜騎士07さんが書いていた、安定の癖の強さ、作品につけられた略称も酷く、なにより委員長の実況が良すぎるので時間を確保できる人はどうぞ、12ルート中(もっとある?)2ルートのみのプレイです

日記にかぎらず情報は一箇所に集めるようにしている

それもアナログで、デジタルは検索性も高く厖大な情報を集積できるわけだが物質として無い、目の前に、紙や木や石のようにない、という一点で読みかえしたいだとか読みかえそうだとかいう欲求が起こらず(いや習慣化すればいいだけなのだけれどもそもそも打鍵による記録行為も端末に表示される文字列もそれ自体惹かれるものでなくよってその気にもなれない)、さらに手指を用いた筆記に伴う快楽も得られないわけであとなんか頭のほうにもちょっとした影響があるんだっけ忘れたけど(忘れているあたり無さそうだがたしかあったはず、あったよな?)それも無いわけでキーボードだと、つまらんなと、単純に、なのでノートに書きつけている、いちいち時間がかかるし工夫しないと欲しい情報を見つけるのにも一苦労なのだがそれがどうしたという強い気持ちでいますね

松原秀一著『フランスことば事典』がおもしろい

単語をとりあげその一つひとつを洒脱なエッセイに練りあげた良著、該博という言葉がぴったりくる、500頁超で読みごたえも十二分

 フランスでは月の表面には, 兎もいなければ柴を背負う男も大きなスカートをはいて立って本を読んでいるお婆さんもいなくて, ただにやにやしている丸い大きな顔しかせいぜいのところ, 見えないらしいのは味気ない。月の光には魔力があり, 月光に照らされて寝ると頭が変になるという考えは西欧に広がっている。月が満ちる程おかしくなる訳であるが乱暴をしたりはしないらしい。メランコリックとなり気まぐれになる。これが lunatique である。三日月 croissant の両端を「つの」cornes というのもちょっと意外であるが, 角の連想から妻に浮気をされ気付かぬ亭主をconfrère de la lune 月の仲間というなどというのは我々の連想の及ばぬところであろう。

松原秀一著『フランスことば事典』p.274-275
『フランスことば事典』(松原 秀一):講談社学術文庫 製品詳細 講談社BOOK倶楽部
外国で暮らしてみると、感情生活も、事物に対する情感も異なっていることを感じさせられることが多い。著者は、永年のフランス生活の体験に基づき、「シャボン」や「パン」など日常生活の「ことば」の背景にある日本人とは異なるフランス人が持つ文化や民族性の特性を指摘しつつ、フランス語の豊かな情感と、その魅力を興味深く語る。生活文化の...



ブックオフオンラインで本を探すにあたりまずレーベルで検索したんですけど講談社学術文庫とか岩波文庫とか、正解だったな、あとは文化誌とか博物誌とかいった語、買ったものをぱらぱらした感じはずれは無さそう

『去年マリエンバートで』が気になっている

一度観ただけではわからないと聞くが、レンタルして観てみるつもり

コメント

  1. 好事家ジュネ より:

    電子の海の中から見つけてくださってありがとうございます……!

  2. ジュネさん?!
    こちらこそです! 素晴らしい動画ありがとうございます!

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