『fall』

溺れるくらいに嘘ばかり、まみれてだから好き。

行進がとまる。
捻転する日月の脈のゆきわたるふうにわたしをからめとる。
嫌なんだって思うくらい、見たくなんてないことのいちいちがその実なにより気になってゆたかな熱をもつらしかった。
触れられて、揺れたいの。
ゆられて狂れるゆびさきに、あなたの翳、かすれた言葉のあわいを描いて抱くなら、願うなら。

知ってる、あたし、さいしょにうまれてふいた風、とどかなくって泣くみたい、なんにもないって泣くみたい、ぜんぶを棄てても星だけだったらいつまでだって残ればいいってあなた、言ったのに、変わらないのがただしいだとか、いまさら知らないふりしてる。

ひびきの絲のやわらかく千束に結びつくでしょうに、ばかね、ほどけた花身にいつわる名前のあることくらいわからないでいた。
わたしが呪った哥だから、いちばんきれいに咲いてるの。
ほんとうに、ねえ、生きて、それでよかったの、それだけで、それきりで、きみ。

照明だとか、たぶん散る音のくりかえす夢。
鏡にうつろう世界には、ぼくたちの好きだったものはもうなにもなかった。
でも、それでいいと思う。
信じなくとも。
手なんか伸ばさなくったって確かめられたんだと思う。
それで、よかったんだと思う。

ずいぶん遠くだよ。
ちいさな燈があって。
あなたを、待っている。

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