ひかりの海だと思った
憶えて咲くのが花みたい
すこしも触れない象徴の
あまいふうな輪廓を零した
最適化された夜の分水
あなたの世界は月陰で
無韻の波束を虚明に結んでさびしいくらいにやわらかだった
思い出なんかじゃない
思い出なんかになりたくなんてない
わたしのつなぎめ縫いつけて
からっぽだろうと哥うなら
星占気取って軌跡の熱を知る
たどるさき
たしかめて
死にきれないのが僕らの価値と
信じるふりして救われなくっていい
時間の果てごと仮相する
季節を間引けばたもてやしないでこのゆびの
帷
いつわりと
祈りのなかにはなにもない
わたしの言葉はなんでもありはしない
接続されれば軋むほど
臼搗く劫火は撓んでにべもない
披読と灰
心音記号は弧線に転義する
紙幅にきざした識閾と
濫造
異風は構わず生絹の朔に依る
あるいはあなたは不稽の愛を
黄昏めかした無謬の愛を
ねえ
いつかになくした逆さの愛を添う
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