『雛月』

花夕べのあまくほとおるふうにまつわるの、咲いて、この身にかさなる薄影は、あいよりあおよりしずかにそめる、だからすき、だいすきで、こどもだったわたしはわかったふりしてそのじつわからないのがとくいなきりのちいさなおばかさんでした、とか、いまでもそうだよ変わらないねおまえは、だとか、ふたりごととかゆびだとか、やわらかく、結びつくたびほころんで、おなんしものを、いつからかしら、見ている。

信じるばかりでかたちをとらないえいえんの、花寄せ、似せる、かたどるすべならふたしかに、まじわる挟目にありました。
ことばのほどけて汀を結ぶ、やわらかな今日、ひかりだったもの、沙みたく、遠のくふうにつがりをかすめてすぎてゆく。
わすれなければいいのにね、おぼえていられたら、わたし。

あなたに捧げるひとつきり、継ぐつぎもなく紮げる綾のどんなにかきれいで、なんて、言いたいだけかもしれないけれど、きれい、だったらいいのだけれど、なんて、そんなんだって祈ってよ、うそだって、だって、ゆらめいて、知れない詩賦さえささめいて、とどきようもなくにじむねがいのかぞえようなんてきっと、もうないのだから。

わずかばかりもためらわらないで弧状にとけてゆく、証明できないことごとの、叶うなら、重力、つつみこむよに抱きしめて、わたしのこぼしたねがいごと、だれにもふれないままがいい。

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