『ニニと神さま』#6

 うつむくふうでもかすかな夜の滲みだすようなカフの輪廓だった。
 一年むこうの静けさの、掠めてかえってうるさいくらいがやさしさだなんて腑に落ちて、歩けば拙い四法の辺を、踏み消せないままわたしたちは描いていたい。描くなら、白とか灰なら指切るはずもない。たとえるたしかな記憶もどうせ無い。
 誰かが眠ったいばらの城の、炬燭のあいだを縫いとって、ちいさな血塗れをゆびさきに燈してゆく。
 愛とか崩れてぐずぐずと、夕暮れまがいの花束でした。ほんとうに?
 わたしは乾いたわたしの髪を、ふざけきった無風にさらしていつまでだって穏やかなんかじゃなかった?
 廻廊。
 とどまる時間と粒子の系なら定まりつくした最果てだったの永劫なんちゃらぷかぷか浮かせてとりとめなんかもありもせず、ふがふがふがふがカフなら言ってる壊れてしまってわたしたち、だなんて言わないでいわないの言わない?
「ゆわにゃー」
 ゆわにゃーらしいの言わないカフなら翳してなかぞら見つめるくちびるかわいいだからと読みとる無量の境界肯定されたいいつかのどこかで触れたいふれたい触れたいふれたいふれたい触れたいふれたい、ねえ、ねえ、ちゅーしたい、ねえ? カフ? カフ? カフ?
 世界のへし折れる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました