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『Torus』

同心円状の地獄がぼくたちの教室だった。 おびただしい数の小部屋。 内臓と呼ばれた歩廊。 見る夢はどれも畸形だった。 結合された狂気と聖性とを前景にぼくたちは終末論の翻訳に勤しんだ。 秘匿された虚無を探りあてる...
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『アウグストゥス』

ここに結末はない 隠された神などいない 黄昏時に舞う影も 徴もきざしもない あるのは機械仕掛けの陶酔と二重の秘蹟 解き得ぬ迷宮と人工の救済 いつわりと諧謔 魔術と綺想 曖昧なくちづけ ...
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『Astrorama』

共棲きょうせいするいくつかの深淵しんえんを私わたしたちはのぞきこんでいる。象かたどりうる術すべひとつ知しれないままであなたはしずかに微笑ほほえんでいる。燃焼ねんしょうする星ほしの内奥ないおう、抉えぐりぬかれた螺子ねじの群塊ぐんかい、多元性...
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『fall』

溺れるくらいに嘘ばかり、まみれてだから好き。 行進がとまる。捻転する日月の脈のゆきわたるふうにわたしをからめとる。嫌なんだって思うくらい、見たくなんてないことのいちいちがその実なにより気になってゆたかな熱をもつらしかった。触れられて...
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『瓦礫の星の降るころに』

花は咲くのよ、どこにでも。あなたがそれを望むなら、望むかぎりに、なんどでも。 きみがそう云って泣いた日に、あたしは生まれたんだってさ。いつわりばかりの片親ごしに、うんざり顔の乳母のミーザがこっそり教えてくれた。でもね、あのとき、だれ...
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『Void』

わたしは呼ばれて夜、とかまどろみ、とか呼ばれて差しだすわたしをひかりと輪郭とを 記憶とか祈りとか秘密とかそうした言葉のあらわす痛みを理解はできない予測もきみにはできないけっして 切断されただいじょうぶさは信仰の度合いに応じてゆ...
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『Pendulum / Reverse』

明けようもなくつづく夜のまんなからへんなにを待つでもなくたたずんでいるのがわたしであなたはかたわら聲を書きつける沙ゆびさきうそばかり しらばくれてあまくなんてないのかしら咲きそんじるなら花なんかどうして生まれたのだってたがえるひとつ...
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『In Flames』

見知らぬ地平は遠のくばかりの名前と青から成る境界。私のひかりの拉いで泣いたらそんなもんは最後の時間のあなただけですそういう取り決めですからなんて表記されてうるさいのうるさい。歩幅のひとつもあわせてくれないリアルの意識はわたしを損ねて死なな...
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『Nights Wave』

「無辺咲むべざく埜果図のはづに刮きさがれまろぶ。花はなに喰くわせる身みのあらば」縷界るかいに夜気やきのささら振ふれて趨はしる。繰くる四季相しきそうのひと綴つづり、水涯みなはてに揺蕩よい散ぢれようとも糾あざなう端つまなどなかった。永遠えいえ...
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『幻鎖』

境界線を穿つ雨を、あなたの瞳をとおして見るわたしの、もうとっくに亡くしたはずの言葉のどこから零れてつたうのか。いつだって在りし日の思い出みたいに文字におきかえてだって欲しかった。ゆきすぎた日の凪いだ夜みたいに傍らに欲しかった。おちる音がす...
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