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『魔術師』

渺架に星の骨格標本のふわふわと並んでいます。雪みたいで、けれども反射の具合によっては頭蓋にも似ますから、伏し目がちになる年もありますが、しかし見ずにはいられません。わたしは先生の家を訪れるたび、これらの、無数の糸の折り重なった飴細工のよう...
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『流転』

まひるの街に睡るなら、逆巻くひかりの薄らいで、永遠だとかなんだとかばかみたくさわぎたててゆきさった誰だかのうそくらいあまやかにかすんでゆくのだろう。言葉の此岸に沈みこんで滲む、あたしの知れない風の背に、見たくないことのそればかりが結ばれて...
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『alea』

水道栓をひねれば流れだす星屑をわたしのからだみたいだなんて思う日のあわくなった時間はこまぎれ、流れる、流れこむのだと感じるあなたにそそいでは音の天井に降る夜の夢ばかり見ているいつもいつまでもきれいで世界がいてくれるからだから、あなたなんか...
ニニと神さま

『ニニと神さま』#1

 星の降るならどんな夜だってうつくしいだなんて、言葉があれば夢見るように哥えるの。滅びの光はわたしを揺らして蒼く、壊劫のほつれて淵からこぼれた焔みたいだなんて、そんなふうに。 世界が終わりますね。もう、さよならですね。ばかみたい、あっけな...
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『サテライト』

階差軌道のわたしを掠めて行き去って、無数の星の、引きずりだされた血脈みたいに、赤とか、青とか、知らない色とか、きみの色、だとか、きれいにならんで、此岸の涯とわたしとか、彼岸の向こうとあなたとか、つないで結んでくれたなら、いまだって、永遠に...
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『詩鯨』

詩はおまえを愛し、おまえを呪った。おまえの母のように。詩はおまえを赦し、おまえを倦ませた。おまえの恋人のように。わたしを抱く焔のかけら、器官をなめらにとかしては、古びた痣の、刻印の、輪郭を焼く、証しを立てる。故郷の風は、わたしを絆し、贖わ...
まどろみにえいえん

『まどろみにえいえん』

 にゃーにゃーふるえて変ずるひとかけ見いだしえないいまをあたしは在って、だから還りもしないあなたの翳かげをいつまでも、さがしてる。 あなたの語ったほんとうは、あたしを呪ってなめらかに、血脈まがいの緋枯ひがれの痕あとを、この晴めにこの背に灼...
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『調弦廻廊』

 造化する宇内の、無数の境界線が並行して存立し得るのは、全天を穿貫し、遍在する凝聚点の統御の絶対性の些かも揺るぐことのない為で、つまるところ、僕らはあなたによって此処にあらしめられ、生かされている。  あなたは世界を調律する。間断な...
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『亜的児』

 最終です。次の便はありません。永遠にさよならです。  この星が、あなたとぼくと、ふたたび逢うことはないでしょう。はやくお乗りなさい。虚气エーテルは、こころの在り様もまた、知らず置き換えてゆくのです。 さあ。前をむいて、前だけを見て...
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『書囹』

 飛花ひか幽淪ゆうりん宵しょうに散あかりて露命ろめい形魄けいはくの空竅くうきょうを浥うるおす。祹とう業已すでに亡なく苑えんは薫灼くんしゃく架幻かげんの垠さかいを渡わたるも淼茫びょうぼう猶冽なおすみて冥妙めいみょうを存たもつ。孤篷こほう揺漾...
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