“鶴田謙二は怪しい”って書いてなかったっけ、SoWの帯に

漫画

どうやって生計を立てているのかわからんみたいなコメントも付されてあって、たしかね
そんで、そうなのか……何者なんだ鶴田謙二……なんて考えながら俺は読んでた(敬称略でいきます)


あ、SoWってのは『Spirit of Wonder』のこと
鶴田謙二の漫画と出会ったのはずいぶん前の話で、俺がまだ古本屋に立ちよっていた頃までさかのぼる


俺は、これはいまでもそうなんだけど直感ってやつをずっと大事にしていて、だから背表紙とか表題とかいった限られた情報から当たりを引けると思っているわけなんだけど、『Spirit of Wonder』もそうして本棚から抜き取った一冊だった


結果どうだったって?
当てたよ、当然


だけど、正直、中身についてはほとんど憶えていない
そうだな、チャイナさんが脱いでたとか、チャイナさんが暴れたとか、チャイナさんがよかったってことだけはたしかで、あとは月とか? 綺麗だったような?
ん、とにかく気に入ってた


電子書籍化されているからあらためて買ってみるつもり
せっかくだから紙かなあなんて探してみたんだけどネットじゃ定価では無理っぽい


実店舗ならひょっとしたら数百円で手に入るかも
まちがいなく変色してるし妙なにおいだってするんだろうけれど
そもそももういかないんだけれど


で、本題はここから
先日注文していた鶴田謙二の『ポム・プリゾニエール La Pomme Prisonnière』がとどいたって話をしよう


これがねえ、表紙から最高なんだよ
装飾品を身につけたほぼ全裸の娘さんがどかりと座っていて、帯があるとわからないんだけどねこもいる


ねこ


この作品とにかくねこがたくさん出てくる
ねこと裸女とが戯れる
裸女が全身にまたたびをかぶるとどうなるかって話もある


裸女


たぶん全体の97%くらい脱いでる
で、なんかいろいろはみだしたりまるだしになったりしてる
作者が姪に怒られるくらいには
でもいやらしさみたいなものがなくて(感じかたは人それぞれだ)、そういうところも魅力のひとつだと俺は思ってる


お話らしいお話はないと言っていいかもしれない
もちろん流れというものはあるんだけど、基本、場の切り取りって感じで派手さはない
だから物語が好きな人はひょっとしたら退屈する可能性だってある


そういう意味ではすでに鶴田謙二を知っている、世界観とか絵の質感、表現が好きな人向けなんだろう
でも知らなくったって俺は間違いなく表紙買いするんだよ
で、これは良いものだってどっかでだれかに言ってる


トーンはたまに、あとは線と、これも少ないんだけどベタで構成された作画がうつくしい
適度な大雑把さというのか、バランス感覚が好きでずっと眺めていられる
描くひとには資料にいいかもしれない


設定も、舞台はいちおうヴェネチアで、多くはないけどそれらしい風景が描かれる
でも大半は廃墟だよ
ねこと裸女に、廃墟とヴェネチアが足された感じ
すてき


そうそう裸女は過去に発表された『Forget-me-not』の主人公でもあるみたい
俺は未読
未完らしいことはどこかで見た
連載や続刊が事件になるくらい寡作な作者だから仕方がないね(鶴田謙二が寡作なら俺は寡読で、対抗してるのかってくらい読んでいない)


あと『ひたひた』ね
『ひたひた』って画集からのつながりもあるようで、『ポム・プリゾニエール』収録作もひたひたの名で『楽園』という雑誌に掲載されていたそうな
もちろん未読(ほんとに読んでないな)


で、話を戻すんだけど、情報が少ないと推測するじゃない
これはどういうことなんだろう、なにがどうなってこうなってるんだって


この漫画にはそういう楽しみもあって、うん、そのへんも過去作からつながってたらあれなんだけど、まあそれはいいや
俺が言いたいのは、裏にあるもの、底に流れるもの、なんてなんにもないかもしれないんだけれどもたとえそうだとしてもね、提示されるものに対して鋭敏に、能動的に接することですげえおもしろくなる漫画なんじゃないかなってこと
わかる人にはわかると思うんだけど、そういうの


ゲストも豪華で寺田克也、沙村広明、木尾士目、石黒正数、中村明日美子がそろって裸女を描いてるよ
ちょっと笑ったよね

コメント

  1. […] […]

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