『Torus』

同心円状の地獄がぼくたちの教室だった。

おびただしい数の小部屋。

内臓と呼ばれた歩廊。

見る夢はどれも畸形だった。

結合された狂気と聖性とを前景にぼくたちは終末論の翻訳に勤しんだ。

秘匿された虚無を探りあてるような、半ば儀式のような対話を通してぼくたちは転回をくりかえし、神話の解読をつづけた。

周期的に寄る波は一瞬の愛と頽廃との恒久的な接続を思わせた。

永劫回帰。

符号と囁く声もあった。

ぼくたちは信じなかったが、信じた者はみな美しい倒錯を描いた。


遊戯的な変奏と反復、摸倣と歪曲とを通じてわたしたちは移行した。

神神のこどもを屠殺場送りにし、神神を磔にし、苦痛を奉じて午睡に耽った。

高度に洗練された工程は完全なかたちで退けられた。

予言は事実を掠めなかった。

ほんのすこしも。


ひきずりだされた供物は月の光に脈打って綺麗だった。

人形たちは自動化された殉教を愉しむと、繋がれた手指をすすんで切り落としていった。

分裂した意識は浮動し、燐光へと滲透し、ささやかに表象する。

色彩は推移する。

赤、黒。

鉄と水銀。

鉛は恩寵だった。

秩序だてられなめらかな旋律に隔世遺伝的に発現する淫蕩をあなたたちは哥った。

ゆらめくように。

だれかのように。

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